周先生の健康講座4
血圧の「新常識」
《平均血圧を下げることが高血圧対策の“王道”》
血圧管理というと、「上の血圧」と「下の血圧」を問題にしがちだが、最近の新常識として「平均血圧」「脈圧」がキーワードになってきました。それぞれどんな意味を持つのか、そしてその意味と計算式を御紹介しましょう!
細い血管を流れる血液は、一定の量で、一定の圧で、ゆったりと流れています。この細い血管内の血圧のことを平均血圧といいます。この平均血圧の直接測定はできませんが、ごく単純化した計算式《下の血圧+「上の血圧―下の血圧」÷3》で求めることができます。(例えば「上120、下70」の人なら70+「120―70」÷3で87)
細い血管の動脈硬化が進んで血液の流れが悪くなり抵抗が増してくると、全身の血液の流れを保つために、心臓は血液をより勢いよく送り出さざるをえなくなります。その結果、血圧が上がり、上が150、下が100というような値を示し、平均血圧が上昇してくる。 平均血圧の目安は90だが、ちなみに上150、下100の人の平均血圧は約117です。平均血圧110以上は要警戒です。
上の血圧と下の血圧はそれぞれ独立した値のように見えますが、実は、違います。血圧はベースラインである平均的な血圧があって、これに対して上下の幅が決まってきます。そのベースラインが平均血圧。高血圧治療では、上や下を下げようという視点ではなく、ベースである平均血圧を下げようとする視点が大切なのです。
「平均血圧が高くなってきたら、動脈硬化の始まりなのです」
次回、脈圧を紹介します。