第93回美膳薬膳〜冬の養生法〜
寒さで身体の中もスローペースになっていると思いがちですが
冬は腎の働きが活発となります。
一年中臓腑はよく働き、季節ごとに身体は気・血・津液を消耗しています。
春は肝の働きにより血を消耗し、
夏は暑熱により心気と心の液体である汗を大量に消耗します。
秋は肺の陰液を乾燥した大気により傷つけられます。
梅雨の湿気の影響や臓腑の働きの失調によって脾の働きは低下します。
消耗した上記のもとになる精気は腎に貯蔵されています。
冬は腎が精をしっかり貯蔵し、体を養い、各臓腑に栄養を行き渡らせます。
養生法としては、
陽気を逃がさないよう日常生活をゆっくり過ごし、
安定した気持ちでいることを心がけ、睡眠時間をゆったりとります。
冬の寒邪は腎を傷めやすいので、食養生は腎を養い身体の保温に心がけ、
乾燥に注意し抵抗力をつけるようにします。
また、冬によく摂取するとよい食薬についてもご紹介します。
補気助陽:気を補い、陽を温めて身体を助けます。
もち米、長芋、じゃがいも、栗、クルミ、干しシイタケ、鶏肉、エビ等
補血滋陰:血を養い、陰を補充します。
ほうれん草、にんじん、いか、豚肉、レバー、落花生、ブドウ、ごま、牡蠣
理気活血:気を巡らせ、血流を良くします。
蕎麦、チンゲン菜、ジャスミン、みかん、酢、らっきょう
温裏散寒:臓腑を温め、体内の寒気を散らします。
ニラ、とうがらし、生姜、山椒、エビ
季節の流れや時間の流れに沿って
食べ物や生活スタイルを少し変えてみるのも
楽しい過ごし方のひとつになるかもしれませんね♪
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